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講演会「地域で最期まで安らかに生きるために」開催

老いは誰にでもやってきます。「ひとりの老後」も増えています。加速する超高齢社会で、地域で最期まで安らかに生きるための方策とは……

地域で最期まで安らかに生きるために

 平成29年度シニア活動支援事業の講演会「地域で最期まで安らかに生きるために〜人がつながるケアのまちづくり〜」が、12月1日(金曜)、川崎市生涯学習プラザで開かれました(主催=川崎市生涯学習財団・川崎市中原市民館)。

 講師は、ノンフィクションライターの中澤まゆみさん。1949年生まれの中澤さんは、雑誌編集者を経てライターに。『おひとりさまの終活』(三省堂)『おひとりさまでも最期まで在宅』(築地書館)など多数上梓。在住の世田谷区で、多職種連携のケアコミュニティカフェ「せたカフェ」も主宰しています。

 中澤さんは、認知症になったひとり暮らしの女友達を13年介護し、また認知症になった母を遠距離介護し自宅で看取りました。講演では、そうした経験に裏打ちされた示唆に富んだお話を聴くことができました。

講演は、まず、各種データから超高齢社会の実相を明らかにすることから始まりました。

 2017年10月1日現在の川崎市の人口150万3690人のうち、65歳以上の高齢人口は30万1514人で20・1%に達します。加速する超高齢社会にあって「老老介護」「ひとりの老後」(独居高齢者)が増えているのです。

 老後に関する本を出版している中澤さんは、「人生の仕上げはお葬式でもないし、お墓をつくることでもないです。死後のことより大切なのは、『そこそこ、いい人生だった』と思って旅立てるよう、できるだけたっぷり生きること」と言い切ります。

 こうした現状を踏まえ、「人生100年時代の老後には、自分力・人もち力・地域力が必要」として、「高齢期の暮らしの基本的な考え方」を次のように指摘しました。

 「老後をいきいきと元気に暮らすためには、自分で決めること・自分自身のもてる力を出しきること・生活(住居)を不連続にしないことの高齢者福祉三原則で生きることが大切。そして介護が必要となったとき、自分の介護をどこでだれに受けたいのか、どこで看取りを受けたいのか、をイメージトレーニングしてみましょう」

 そのうえで、中澤さんが提唱するのが、「協働で行うケアのまちづくり」。「家族のみでケアを支えることは不可能で、地域ケアへの住民参加によって、安心して暮らし、安心して死ねるまちづくりが大切」と強調します。

 中澤さんは、「これからの超・超高齢化社会に向けて問われているのは私たち自身です。たっぷり生きて、安らかに旅立ちましょう」と結びました。

 参加者はシルバー世代の約90人。「遠距離の両親が施設に入所していますが、費用が大変。両親のご近所とのコミュニケーションについて悩んでいます」という切迫した質問に対し、中澤さんはこう応えました。

 「老後のお金についてはよく質問されます。それぞれの暮らし方によって違ってきますが、行政の制度をよく調べて利用しましょう。ご近所には、こんにちはと声をかけることからはじめ、支援を受けるだけでなく、自分ができることをしていくことも必要です」

 中澤さんが活動する「せたカフェ」をはじめ、中原区でもコミュティカフェ・食堂がオープンしています(小紙11月号参照)。住民参加による「ケアのまちづくり」が、超高齢社会を支える要諦のようです。


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