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川崎市乳児院「しゃんぐりらベビーホーム」を訪ねて

川崎市には、家庭で暮らすことのできない子ども達が約400人います。親の病気や死亡、経済的理由、虐待などがその理由。幸区にある乳児院を訪ねました。

 川崎市教育委員会主催・中原市民館実施による、平和・人権学習「子どもの笑顔があふれる地域へ〜さまざまな状況下にいる子どもたちを考える〜」が、1月から3月にかけて計10回、開かれました。昨年好評だった講座に続く第2弾で、今回は、困難な子ども達の状況により踏み込んだ内容となっています。

 2月9日(金曜)、第4回「川崎市乳児院ってどんなところ? 〜乳児院の役割とは?里親支援にも関わる川崎市乳児院・しゃんぐりらベビーホームを見学〜」に参加、同行取材しました。

 社会福祉法人母子育成会「しゃんぐりらベビーホーム」が、高齢者総合福祉施設と共に、JR南部線鹿島田駅徒歩5分の地に建設・認可されたのは、13年前の2005年。しゃんぐりらベビーホームの基本方針は、〈子ども達の生涯にわたる育ちを視野に入れ、子どもと職員がふれあい、共感し支え合いながら心身の健全な成長と発達、豊かな人間関係を築くことを願い養育します〉。施設長を初め看護師、家庭支援専門相談員、栄養士、心理士、事務員、嘱託員ら計42名が、3歳以下の乳児(最大24人)を24時間・365日、養育しています。

しゃんぐりらベビーホーム

 インフルエンザが蔓延しているこの時期、施設の入口でうがい・手洗いをして、赤倉知香子施設長からお話を伺いました。

 「どんな人間にも生きていく権利があります。乳児院は児童福祉法によって位置づけられています。入所してくる子ども達は、すべて児童相談所を通して入ってきます。児童相談所が、この子は今は、家で暮らすよりも家から離れて生活した方が良いと判断した場合に、保護しています。入所の理由で最も多いのが、母親の精神疾患による不適切な対応(児童虐待)です。虐待には身体・心理・性的・ネグレクトがあり、乳児の場合、真剣に関われないネグレクトが一番多いです。いま、ここでは生後5日目から3歳まで21人が入所しています。信頼できる人がいる、大切に育ててもらった、生まれてきてよかったと思えるように担当養育制で育てています」

 乳幼児を刺激しないように、赤倉施設長の説明を聞きながら、養育室、プレイルーム、観察室、厨房、寝室、浴室などを見学。柔らかな陽ざしの中で、子ども達は笑顔でのびのびと保育士と遊んでいました。

 乳児院で過ごした子らは、その後、児童養護施設や里親に育てられます。赤倉施設長は里親制度についても訴えます。

 「里親には、養育里親や養子縁組里親だけではなく、夏休みなどに子どもを預かる週末里親や季節里親などの制度もあり、私自身も携わっています。説明会も開いておりますので、子ども達のために広がっていって欲しいです」

 ホームでは、季節ごとのイベントなども行っていますが、「大きくなった子ども達がイベントの手伝いに来てくれます。会うとぎゅっと抱きしめてしまいます」と微笑む赤倉施設長。子どもへの愛情の深さと保育士として矜持を感じました。

 見学会には、地域活動を行っているシニア世代を中心に20人が参加、乳幼児の日常生活から職員の労働実態、里親制度の実情まで熱心な質問が飛び交いました。赤倉施設長の講話が終わると、大きな拍手が起こりました。


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