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貧困は「子どもの『不利』を蓄積させないために社会保障制度を利用しましょう」

小田川華子さん(首都大学東京子ども・若者貧困研究センター特任研究員)

 日本で初めて貧困の名を冠した法律「子ども貧困対策法」が施行されたのは、2014年1月。子ども6人に1人が貧困の中で暮らしています(厚労省調査・2012年)。深刻な状況が続く中、行政や地域で取り組むべき対策は……

 川崎市生涯学習財団・NPO法人かわさき市民アカデミー主催による講座「子どもの貧困を考える〜地域ができること」が、5月から7月にかけて計5回、川崎市生涯学習プラザで開かれています。

 5月19日(木曜)に行われた第1回のテーマは「子ども・若者の貧困をとらえるアンテナと支援の仕組みについて」。講師の首都大学東京子ども・若者貧困研究センター特任研究員の小田川華子さんは、2016年8〜9月に調査した「東京 子ども生活実態調査」を提示して、貧困の実相を明らかにしていきます。調査対象は、都内の4自治体に住む小学5年生、中学2年生、16〜17歳の本人およびその保護者、約2万世帯(回収率42%)。

 生活困難を、低所得・家計のひっ迫・子どもの体験や所得物の欠如―の3つの要素から、 困窮層(2つ以上の要素に該当)、周辺層(いずれか1つの要素に該当)、一般層(いずれの要素にも該当しない)に分類し、生活困難層を困窮層+周辺層と定義。

 調査からは、以下のような実態が浮かび上がってきました。〈栄養 困窮層ほど野菜、たんぱく質の摂取頻度が少ない〉〈健康 困窮層ほど健康状態が悪い 16〜17歳になるとその傾向は顕著に〉〈医療 子どもを受診させた方がよいと思ったが、実際には受けさせなかった経験は困窮層ほど多い(4人に1人)〉……

 しかし、スマートホンを手にしコンサートに出かける子どもたちの姿から貧困を察知するのは難しく、孤立している家庭も少なくありません。

 「貧困は見えにくい」と言う小田川さんは、公民それぞれでできる取り組みを指摘します。

 「子どもの『不利』を蓄積させないために、がまんしないで生活保護のような社会保障制度を利用しましょう。自治体は庁内連携でお金に困っている家庭を見逃さず対応し、地域の大人たちは子どもたちとの会話の中から貧困を察知し向き合っていくことが大切です」

 参加者は約40人、そのうちボランティア活動をしている人は半数ほどで、質問も多く出ました。「見えない子どもの貧困」を可視化するために、小紙前号で取り上げた市民による寺子屋事業の活動をあげた参加者もいました。貧困の連鎖を断ち切るためにも地域力が求められています。

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