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〜平成28年度 第1回全市図書ボランティア研修会〜石井睦美さん(児童文学作家)講演「子どもの本と子どもとわたし」

「子どもの本と子どもとわたし」

 子どもの時に夢中になって読んだ本を覚えていますか。枕元で何度も読んでもらった絵本は何ですか。

 「平成28年度 第1回全市図書ボランティア研修会 『子どもの本と子どもとわたし』」が、7月5日(火)、中原市民館多目的ホールで開かれました。主催は川崎市教育委員会。「昨年度の川崎市の公立の小中高校・特別支援学校で読書活動のボランティアをしている人は3415名」(同委員会学校教育部中原区・教育担当の佐藤俊司課長)。研修会には、読み聞かせなどのボランティアの方や読書に関心のある人など約150人が参加しました。

 講師は、児童文学作家・翻訳家の石井睦美さん。石井さんは、フェリス女学院大学文学部卒業後、青土社に入社、『ユリイカ』などの編集者を務めた後、創作活動に入る。90年に『五月のはじめ、日曜日の朝』で第3回毎日新聞はないちもんめ童話大賞・新美南吉児童文学賞を受賞するなど数々の賞を受賞。また2005年から13年まで季刊児童文学雑誌『飛ぶ教室』の編集人も務めた。 石井さんと本との出合いは、当時、言葉すらなかった主夫の父の読み聞かせからはじまります。「半世紀以上前に、主夫の父と働く母親の家庭に育ちました。主夫と幼児が公園に行くと目立つ時代でしたので、家の中で父に絵本を読んでもらい、絵を書いて過ごすことが多かったです。今思うと、仕事と家庭を両立させた母は本当に偉いなと思います」

 「インドアな子どもで愛読書は世界文学全集」という子ども時代、高校生時代は、寺山修司に憧れ詩や短歌を夢中で読んだ。出版社を経て、26歳で作家に転じる。

 「子どもが本と出合う時に、こんな世界があるんだと思えるような作品に出合うと、大人になった時にその思いが芽吹く時があります。作者がこうであらねばならないということは書かないが、そういうことをうまく伝えられるように書きたい。一所懸命生きていると生き生きと人生は楽しい、生きていていいよということを子どもに伝えたい。生まれてきたのだから、人生というのは生きる甲斐があるのだと思えるまで、周りの大人が子どものために一所懸命やらないといけないと思っています。貴重な時間をボランティアという形で子どもたちに届けようとする行為は、作者の物語だけではなく、それに読み手のひとりびとりの物語が加わって子どもたちに伝わっていきます」

 編集者・作家・母親の体験に裏打ちされた石井さんの講演は、深く心に染みわたりました。講演後、ひとりの女性(50代)に感想を聞いてみると、「一般での参加です。以前、読み聞かせのボランティアをしていたのですが、子どもたちがあまり熱心に聞いてくれないこともあって、ボランティアから離れていました。でも今日は、とても参考になる話を聞かせていただいて、またボランティアを再開しようと思いました」と、話しました。

 さて、今日はどの本を手にしましょうか。


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