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かこさとし展として過去最大規模の展覧会「かこさとしのひみつ展ーだるまちゃんとさがしにいこうー」

1959年のデビューから半世紀以上、「からすのパンやさん」や「だるまちゃん」シリーズなど600点以上もの作品を発表し続けてきたかこさとしさん。企画展では、複製原画を中心に、下絵やスケッチなど約240点をご紹介。

かこさとしのひみつ展

 川崎市市民ミュージアムにて、絵本作家のかこさとし(加古里子 本名・中島哲)さんの企画展「かこさとしのひみつ展ーだるまちゃんとさがしにいこうー」が9月9日(日曜)まで開催中です。

 同展は、夏休みに親子で楽しめ、かつ川崎にゆかりのある作家さんの展覧会を開きたいと、職員の皆さんの熱い思いで実現し、昨年の夏より準備を始めました。

 かこさんは、準備期間中の5月2日に92歳でご逝去されましたが、最後まで同展のことを大変気にかけ、川崎での開催をとても喜んでおられたそうです。

 企画展は三部構成となっており、第一部の「かこさとしができるまで」では、かこさんが小学校6年生の時に書いた絵日記や、創作の原点となった川崎市幸区古市場でのセツルメント活動時代に川崎の子供たちと一緒に描いたスケッチを展示。(※セツルメントとは地域住民の生活向上のための助力をする社会事業及びその施設)

 「かこさんは19歳で終戦を迎えるまで、飛行機乗りに憧れた軍国少年でした。しかし戦後の悲惨な状況に、自分の考えが間違っていたと強く思うようになります。今後何を目標に生きていけばいいのか思い悩む中で、川崎セツルメントの子供たちと出会い、これからは子供たちのために生きようと決意し創作の道へと進んでいくのです。川崎には1950年代から約20年間お住まいになられました」。そう話すのは、同展を企画した学芸員の永藤友美さん。今回は川崎での開催ということで初展示された貴重な原画「多摩川のスケッチ」も展示されています。

 第二部「かこさとしのひみつ」では、絵本作家としてデビューしてからの作品を、かこさんの作品世界に通底する「見る」「知る」「学ぶ」「食べる」の4つのキーワードをもとに展示し、かこ作品が時代を越えて愛される秘密に迫ります。

 そして、第三部は「かこさとしから未来のだるまちゃんへ」。近年の作品を展示したこちらのコーナーには、今年の1月に91歳で発表された絵本(だるまちゃんシリーズ3作品)も展示されていました。この作品には、勇気を持って乗り越えるというメッセージが込められているといいます。

 「かこさんの本には、一つひとつ、どの作品にも、子供たちへのエールが詰まっています。かこさんは、これからを生きる子供たちには、自分の頭で考え、何が正しいのか見極めて、たくましく生きていって欲しい。そういった想いで執筆を続けてこられました」と、永藤さん。

 そんなかこさんの想いとも重なるように、同展には、子供たちが楽しめる工夫もたくさん仕掛けられています。クイズを楽しみながら鑑賞できる「子ども向け鑑賞ガイドブック」(なくなり次第終了)や鑑賞後絵本を読むことができるスペースがある他、作品の解説パネルはすべて小学校中学年でも理解できるよう配慮した文章構成となっています。最後にその理由を、永藤さんに伺いました。

 「かこさんの『人間』という科学絵本には『対象年齢は小学校中学年から大人まで』と書かれています。その年齢であれば、お話絵本は卒業しているかもしれません。その子供たちが小さい時に読んだ作品に、実はこんな秘密があったのか、と改めて作品に再会できる形になればいいなと願いを込めて作成しました。子供から大人まで、多くの方にかこさんの想いが届くと嬉しいです」

 幼い頃から親しんだかこさんの本には、知らなかった素敵な秘密がたくさん隠れていました。皆さんも是非足を運んでみてください。


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