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公開講座「発達障害のある子の子育て」から

 小中学生の15人に1人が発達障害の可能性があるといわれています。発達障害児への社会の関心が高まりつつありますが、その支援の在り方のひとつに、ペアレントメンターがあります。

 発達障害支援法が施行されたのは2005年。制定を機に、発達障害者の福祉的援助に道を開くための取り組みが始まっています。

 7月1日(日曜)、一般社団法人川崎市自閉症協会主催によるペアレントメンター養成講座の第1回公開講座「発達障害のある子の子育て〜子どもから信頼される保護者になること〜」が、中原区役所会議室で開かれました。炎天の下、約200人の保護者(主に母親)が詰めかけ、会場は熱気に包まれました。

公開講座「発達障害のある子の子育て」から

 川崎市自閉症協会は、1979年に設立。自閉症や発達障害をもつ子の保護者相互の交流と親睦を図ると共に、親自ら学び合い、当事者の生活の質の向上と社会への自立に向け、活動してきた草分け的な団体。代表理事を務める明石洋子さんは、自閉症の長男を療育しながら、地域でのさまざまな活動に力を注いできた先達。「協会は設立50年になりますが、自閉症や発達障害については、いまだに正しく理解されていません。ペアレントメンター事業については5年前から川崎市に要望してきましたが、大勢の方の協力のもとにやっと取り付けることができました」とあいさつ。川崎市と同協会によるペアレントメンター育成事業が緒に就いたところです。

 発達障害の子どもを育てた経験を持つ親が同じ境遇にある保護者に寄り添い手助けをするのがペアレントメンター。parentは親、mentorには信頼のおける相談相手という意味があります。発達障害は周囲から理解されにくい面があり、家族だけで悩みを抱え込んでしまう場合も少なくありません。そんな時、共感しながら相談に応じられるペアレントメンターの存在が重要になってきます。専門家とは違った効果が生まれます。

公開講座「発達障害のある子の子育て」から

 講師は、社会福祉法人青い鳥 横浜市中部地域医療センター所長の高木一江さん(医学博士)。日本小児科学会・日本小児神経学会専門医で、乳幼児から成人まで発達障害の医療に携わってきた第一人者。「子どもは、みんな『育つ力』があります。『育っていく子』に、どう寄り添うか、どう付き合うか。大人の役目は、方法の工夫と環境作りです」と子育ての基本から発達障害へと話を進めていきます。発達障害のある子育てに有意義かつ役立つ2時間半でした。

 発達障害とは、具体的にどのような症状を指すのでしょうか。

 高木さんは、神経発達障害について、「知的(能力)障害、コミュニケーション障害(ことばの発達・発音の問題などを含む)・自閉スペクトラム症・注意欠陥/多動性症・限局性学習症・運動症(発達性協調運動症・チック症なども含む)」などをあげ、専門家による診断の意味を強調します。

 「お子さまの特性を正しく理解して、適切な対処を知ることができます。そのためのキーワードが診断名。診断→理解→うまくいく方法。診断は、定型〜非定型を見分けられる専門家によって行われます。方法は専門的知識と実践経験を持つ支援者によって、肯定的に提供されます」

 そして、ペアレントメンターの存在価値についてこう指摘します。

 「発達障害の子どものことで悩んだら、子育て中の身近な友だち、幼稚園・保育所・学校の先生、専門の支援者、その一翼を担うペアレントメンターなど周りに相談してください。発達障害専門の医師や専門の支援者には言えなくても同じ経験をした親だからこそ話せることがあるのです。ここにご参集のお母さま方が養成講座を受け、ペアレントメンターとして活動したら、川崎は、発達障害に優しい町になるでしょう」

 ところで発達障害支援のゴールは、すべて一人でできるようにすることでしょうか。否。「自分の得意や苦手の特性を知り、生活する方法・頼り方を知り、人の助けをうまく取り入れる力をつけることです」と言い切る高木さん。

 ペアレントメンター養成講座の第2回は9月に始まり来年1月まで計10回続き、25人のペアレントメンターが誕生します。

◇住所/川崎市川崎区渡田新町2-2-20-504

◇電話・FAX/044-280-7392

http://kusabue.la.coocan.jp/


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